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第2話

俺は西條日向(ひなた)…24才。 大成(おおなり)商事の営業マンだ。 両親と双子の弟の朝陽(あさひ)がいる。 お袋は…先日乳がんが発見されて…余命半年から一年の余命宣告を受けた。 俺と朝陽は突然呼び出されて、久し振りのお袋のご馳走を目の前に、本人から余命宣告の話を聞いたのだった。 晴天の霹靂とは正にこのことで、びっくりして声も出ない俺達を余所に、お袋は淡々と四つのお願い(その時はまだ三つまで)を宣言し、その強靭な精神力を見せつけた。 本人よりも、お袋を溺愛してる父のショックの方が大きかったはずだが、「普段通りで」というお袋の希望で今まで通りの生活を送るように努力しているらしい。 もともと前向きでアクティブなお袋は、残りの人生を楽しもうと『エンディングノート』なるものを作り、後悔しないように、自分のやりたいことを全て書いて、一つずつ完結している…のだそうだ。 そして、俺と瑞季の関係も以前からお袋にはバレていて、エンディングノートに載せられた やりたいことの一つに『日向と瑞季君の結婚式』があり、その希望通りに俺達は式を挙げたのだった。

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