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第3話
俺と瑞季が出会ったのは、高校の入学式だった。
俺と朝陽は、自分達で言うのもなんだが、ただでさえ目立つ派手な顔立ちで、おまけに双子で、と 目につく要素が他人の何倍もあり、入学試験の時から、結構噂になっていたらしい。
朝陽とは隣のクラスで別々になり、心細い気持ちではあったが、高校生活に胸弾ませる自分がいた。
とはいえ、男子校という女っ気ゼロの独特の雰囲気にたじろぎながら、そしてチラチラと感じる無数の興味深げな視線をだんだん不快に感じつつ席に着いた。
見世物パンダじゃねーっつーの。
そんなに双子が珍しいのかよ。
「あのー」
隣の席から心地よいハスキーボイスが。
視線を移すと、柔らかそうな髪の大きな鳶色の瞳の美少年が微笑んでいた。
「僕、隣の席の 坂本瑞季です。よろしくね。」
ずきゅーーーーーん!!
キューピッドがいたなら、矢を的のど真ん中に命中させた…どストライク…と、いった感じか?
見た瞬間、一目惚れだった。
え?まてよ、俺もこいつも男だぞ?
ん?いや…そんなこと、どうでもいい。
こいつは…俺のものだ。
「あっ、ああ…俺は西條日向。よろしくな。」
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