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第4話

出席番号も前後、席も隣同士、家も割と近くで、何と言っても一目惚れの相手だ。 教室移動や昼飯も、その他四六時中一緒に行動することになった、と言うより、行動するように仕向けた、と言った方が正しいかも。 瑞季は、そのかわいくて柔らかい外見のせいで、男女問わずちょっかいを出されてきたらしく、自分の身を守る術を会得していた。 思っていたよりかなり男らしく、しっかりした考えの持ち主で、俺はますます瑞季に惚れていった。 男同士だとか、そんなことどうでもよくて、俺は『坂本瑞季』というひとりの人間を恋愛対象として見てしまっていた。 だから、通学途中で誰かに告白されても 「俺には心に決めた人がいるから、二度とこんなことしないでほしい」 と、相手が泣こうが(わめ)こうが、ハッキリと断った。 その度に一緒にいる瑞季が、少し顔を強張らせていることには、断るのに必死な俺は気付かなかった。 よくつるんで遊ぶようになって、瑞季と他の仲良くなった奴らがうちに遊びに来ることになった。 「日向のお母さんの好きな物って何?」 「んー、確かロールケーキだったと思う。 なんで?」 「せっかくお邪魔するのに、なんか持っていきたいなって思って…」 「ばーか、うちに来るのにそんな気遣わなくっていいって。手ぶらで来いよ。」 「…うん。」

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