6 / 229

第6話

俺達がいつも一緒にいるためか、最初のうちは冷やかされたり横ヤリを入れられたりしたものの、いつしか公然の秘密というか、公認カップルとして見られるようになり、俺も瑞季もそれを肯定するともなく否定するともなく、不思議な関係が続いていた。 学年を問わず、言い寄ってくる奴もいたが、二人ともバッサリと断っていた。 中には、瑞季を無理矢理自分のものにしようとする輩がいたが、瑞季自身の自衛能力が半端なく、俺が出る幕はなかった。 そいつらは見るも無残に叩きのめされて、それ以来そんな不埒な考えを起こす者は ぱったりといなくなった。 本当のところはどうなのか、ハッキリと瑞季に聞いてみたい気持ちはあったものの、もし、単なる友達だと言われたら、立ち直れなくなるのは必至で、わざとそれを避けていた。 そんなある日、期末テストの範囲でわからないところを教え合うために、瑞季が一人でうちに来ることになった。 「あらー、瑞季君来るの? 会いたかったのに残念! 私、今から臣さんと出掛けるの。 映画デートよ、うふふっ。いいでしょ。 次からもっと早く言ってちょうだい! ちょっと、日向、聞いてるの!?」 ぷりぷりとお袋の小言が続く。 「わかったってば。」 瑞季は、お袋お気に入りなのだ。

ともだちにシェアしよう!