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第27話
「日向…日向は本当にそれでいいの?
僕で…いいの?
僕は、僕は…日向が好きです。
ずっと、側に居させて下さい…」
「瑞季…ありがとう…
俺は絶対、お前を幸せにするから。」
日向がぎゅっと抱き締めてきた。
「日向ぁ…」
ぎゅっと抱き締め返す。
日向の匂いが胸一杯に広がった。
大好きな、大好きな匂い。
ずっと片思いだと、叶わぬ恋だと思っていた。
忘れよう、忘れようとしても無理だった。
友達でいようと努力したけど、湧き出る想いは止められなかった。
友達に揶揄われても、うれしい気持ちを隠して平気なフリをしてきた。
その時は、日向の気持ちはわからなかったけど、日向も何も言わなかったから、それでもいいやと思っていた。
想いが叶った今…
夢みたいだけど、日向がはっきりと、『側にいて』『幸せにする』って言ってくれた…
でも…
やっぱり、涼香ママに顔向けができないよ。
大好きな涼香ママを悲しませることはできない。
日向を好きな気持ちも諦めることはできない。
僕はどうしたらいいんだろう…
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