そんな気持ちを抱えながら、恋人として僕と日向は付き合っていた。 日向は真っ直ぐに僕を見てくれているけれど、僕は、100%自分の気持ちをぶつけることができず、常に一線引いている感があった。 そろそろ進学組は目指す学校を決めなければならない時期にきていた。 日向も僕も、そこそこの成績だったから、目指す学部は違えど、必然的に同じ学校を選んだ。 というよりも、『同じ学校じゃなきゃ嫌だ』と日向がゴネたのだ。 そこまでする必要があるかと反対したのだが、日向が譲らず、そこに落ち着いた。 表立ってそれを認めると、日向にずっと依存して離れることができなくなりそうで、その先、別れることになった時のダメージを想像すると耐えられなくて、反対していたのだ。 本心では、できることならなら一緒に…と思っていたから、本当はすごくうれしかった。 大学に行っても、一緒にいる時間が作れる。 それはとても大きな魅力で、もし違うところに行ってしまうと、すれ違いが生まれて段々疎遠になっていくかもしれないから。 「瑞季、今日うちに来る？ お袋、瑞季に会いたがってるぜ。」 「ううん、片付けとかあるし… 涼香ママに、またお邪魔しますって伝えといてね。」 「そんなこと言って…最近、ずっとそうじゃねーか。 何遠慮してんの？ 俺たちのこと…そんなに卑屈に思ってんのか？」 痛いところを突かれた。