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第34話

なんか、一気に目の前がパァーッと明るくなった気がした。 「大河…お前、すごいなぁ。 ありがと。すごく気持ちが楽になった。」 「どーいたしまして。 いつでも聞くよ。なんでも言ってきなよ。」 「うん、サンキュ。」 「なあ、今度カップルデートしようぜ! きっと湊も喜ぶぜ。 じゃーな!」 『信じてやれよ』かぁ… そうか…僕… 日向のこと信じてなかったんだ。 あんなにストレートに自分の気持ちをぶつけてきてくれてたのに、僕はそれを見つめることも受け止めることもしてこなかった。 ただ、誰かがどう思うかとか、何言われるかとか、結局、世間体を気にしてたのかな。 とはいえ、やはり涼香ママに対する申し訳なさは全部消えたわけではないけれど、僕なりに精一杯、日向を支えて、日向の側で生きていきたいと、強く強く思った。 そしてこの気持ちを早く日向に伝えたくて、教室を後にした。

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