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第35話
ちょうど委員会が終わった日向を廊下で捕まえた。
「日向!」
「瑞季、ひょっとして迎えにきてくれた?」
「そういう訳ではないけど…僕、日向に伝えたいことがあって…」
「…わかった。じゃあ俺の家に来る?」
「…うん。」
僕の表情から、別れ話ではない、と確信している日向は、取り留めのない話をしながら僕を連れて帰った。
「ただいま。」
「…お邪魔します…」
「きゃぁー!瑞季君!久し振り!!
どうしたのよ、顔も見せないで。
ご飯食べてるの?
今日はゆっくりできるんでしょ?
ご飯食べて帰りなさい。
あ、泊まっていきなさいよ。明日学校休みでしょ?
あー、何食べたい?美味しいもの作るわよっ!」
怒涛のごとく喋り倒して きゃあきゃあ はしゃぎながら僕をハグする涼香ママから、べりっ と僕を引き剥がすと
「…お袋、うるさい。
天ぷらと唐揚げ!!
俺達相談があるから、呼ぶまで二階には来ないでね。」
「はいはい、わかりましたよーだ。
自分達で飲み物とか持って行ってちょうだい。
私は買い物に行って来るから。
瑞季君、遠慮しないでね!」
日向は うるせー っと呟き、はあっと溜息を付くと、コーラや水、置いてあったお菓子を掴んで
二階に上がっていった。
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