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第38話

数年後… 僕達は、無事志望校へ進み卒業後はそれぞれの道を選んで社会人となった。 日向は、大学進学を機に一緒に住もうと言い張ったが、僕は日向の両親の許可が出るまでは嫌だと譲らず、お互いのマンションを行ったり来たりと半同棲のような生活をしていた。 日向とは… 心と心とで結びつきながらプラトニックな関係が続いていたが、僕の二十歳の誕生日に ついに身体も結ばれたのだった。 初めて日向を受け入れた時は、繋がったところが裂けそうで、痛くて痛くてたまらなかった。 でも、その痛みが彼を愛している証のように思えて、ぐっと耐えることができた。 身体のあちこちが、バラバラになったように軋み、自分の身体じゃないような不思議な感じだった。 こんなことを世間の男性同士は普通にしているのかと、(それまでもいろんなサイトで調べたりもしていたが)ちょっと怖くなったりもした。 けれどそのうち、僕の蕾は日向を恋しがり、喜んで日向自身を飲み込み、会えば肌を重ねることに期待をするようになっていった。 一度身体の関係ができると更に情が移るのか、離れがたくなるというのは本当だと、今更ながら自分の節操のなさにも呆れる。 会う度に『愛してる』と抱きしめられ、求められ、もう日向なしではいられないくらい、心も身体も日向に侵食されていた。 仕事にも慣れ、少し余裕ができてくると、また余計なことを考える。 学生時代と違い、大人の女性が周りに現れる。 日向だけでなく僕にも。 僕は『将来を約束した学生時代からの恋人がいるから』とはっきり宣言していたが、日向はどうなんだろう。 ダメだ、また落ち込んでくる。

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