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第46話
あのまま気を失ってたのか。
気が付くと すっかり身体も清められ、小さな寝息を立てる日向が横にいた。
その頬にキスをすると、彼を起こさないようにそっと布団から抜け出した。
洗面所の鏡には、日向が付けた赤い跡を身体中に付けた僕が、物憂げな顔をして写っていた。
情事の後の顔…自分で言うのもおかしいが、壮絶に色っぽい。
愛されて満たされた身体から淫靡な匂いが滲み出ているような気がする。
溜息をついてシャワーを浴びる。
日向が中に出したものは既に掻き出されて始末されていた。
軋む身体を抱きしめて頭からお湯を浴びる。
なぜか涙が出てきて、しばらく僕は動けなかった。
何も身に付けず、また日向の隣に潜り込む。
静かに眠る恋人は、どんな夢を見ているんだろう。
その暖かな胸に擦り付いて、その鼓動に耳を澄ませる。
『愛してる』
何度も何度も繰り返し言われ続け、言い返すこの言葉。
その度に抱きしめられて、幸せな気分に浸る。
もう、今は何も考えないでその余韻に浸り眠りにつこう。
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