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第48話

材料をザクザク切って鍋に入れて…その間に風呂の準備をして… 一人だからなんでもあっという間に終わってしまう。 片付けを終えて、テレビを点けても面白くない。パッパッとチャンネルを変えてみるが、これといった番組もなく。 雑誌を読んでも頭に入っていかない。 一人って、こんなに寂しいことだったんだ。 今更ながら身に染みる。 日向、今頃どうしてるんだろう。 しばらくぼんやりとしていたが、手持ち無沙汰で寝室へ向かう。 ぼふんとベッドにダイブすると、日向の匂いがしてきた。 目を閉じて昨日の情事を思い出す。 僕を抱きしめ、名前を呼ぶ甘い声。 肌を滑る熱い手の平。 滴り落ちる汗。 僕の中で猛り狂う日向の楔。 僕の右手は自然と下着の中に滑り込み、緩く勃ち上がったものを擦っていた。 うっ、くぅっ 左手でパジャマのボタンを外し、まだ腫れている胸の粒を日向が触ったように弄ってみる。 ぴりぴりとしたむず痒い痛みが、少しずつ快感に変わってきた。 違う、こんなのじゃない、この手じゃない。そこじゃない。 それでも日向がしてくれているように刺激してみるが、まだ足りない。 イキたくてもイケない、もどかしさ。 無理矢理上下に擦り、切っ先の穴を(えぐ)り後孔にも指を出し入れして、やっと…イケた。 はあはあと喘ぐ息と(せわ)しなく動く心臓の音を聞きながら、ここにはいない日向を想い、しばらくそのまま じっとしていた。 落ち着いてくると、一人で盛った自分が急に恥ずかしくなって、汚れた下着のままバスルームへ向かった。

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