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第60話

部屋に戻った僕達は、どちらからともなく唇を寄せ合い抱きしめ合った。 息苦しくなって少し空いた隙間から、すかさず侵入してくる慣れた舌に、自分から絡ませる。 んふっ、んんっ 溢れる吐息に体温が上がる。 身体を(まさぐ)り合い、一枚、また一枚と着ているものを脱がされていった。 あっ、シャワー…もう一度浴びてキレイにしたい… シャツのボタンに手を掛けた日向の動きを止めると 「…瑞季?」 不満そうな顔で問いかけられたから、潤んだ目で見つめながらお願いをした。 「ちゃんと…キレイにした僕を抱いて…」 「…わかった。待ってるから…」 ちゅ と啄ばむようなキスをして微笑んだ日向を残して、僕はバスルームへ向かった。 部屋もすごいけど、内装や設備も最高で、アメニティも充実している。 僕は身体の隅々まで、いつもより念入りに日向と繋がる部分を清めた。 そして、ちょっと恥ずかしいけれど、そこを丁寧に解して準備を整えた。 バスローブを纏い、日向の待つベットルームへ。

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