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第61話

日向は上半身裸のままベッドに腰掛けて僕を待っていた。 「待ちくたびれたよ、俺の奥さん。」 くすっと笑い、差し出された手を取って日向の真正面に立つと 「お待たせしました、ごめんね。僕のダンナ様。」 手を引き込まれてそのまま日向の胸にダイブすると、大好きな日向の匂いに包まれる。 バスローブの紐を解かれ、肩からするりと脱がされて、日向の目の前に一糸纏わぬこの身を晒した。 日向の瞳に欲情の色が灯っている。 噛みつくようなキスをされて、それを受け入れながら考えを巡らせる。 初めて結ばれてからも、日向の将来を考えて何度も身を引こうと思った。 でも、諦めきれず別れられず、泣いて悔やんでぼろぼろになった時もあった。 いつも、どんな時も『愛してる』と抱きしめられささやかれると、申し訳なくも全てを受け入れる気持ちに変わり、結局僕は日向だけを愛しているんだと、痛いほど自覚してきた。 日向のご両親にも受け入れてもらえて、養子にしてもらい、式まであげさせてもらい、事実上結婚が許された今、誰に憚ることもなく彼を『愛してる』と言えることの幸せを噛み締めている。 「瑞季、俺とキスしてるのに何考えてるの?」 頬を伝う涙を指先で拭いながら日向が聞いた。

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