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第64話

弱いところを知り尽くしている日向は、舌で唇で、長くて器用な手で、どんどん僕を快楽の淵に引き摺り下ろしていく。 (あらが)っても、手の打ちようもなく本能のまま悶える僕を日向は責め立てる。 ああっ、ああん 嬌声を上げる僕の目から涙が溢れた。 それを合図に、日向はローションを纏わせた指を僕の蕾に差し入れた。 さっき自分で解したそこは、日向の指を喜んで受け入れている。 くぷくぷと二本楽に飲み込むと、日向がうれしそうに問いかける。 「柔らかい…瑞季、自分でシたの?」 「…あっ、ん…さっき…すぐに日向を…迎えたかったから…」 「瑞季…うれしいよ。ありがと。じゃあ、ご褒美ね。」 一番敏感な場所を探り当てた日向は、容赦なくソコを擦り上げた。 「いやぁーーっ」 僕自身から白濁の液が飛び散り、目の前に星が飛び頭が真っ白になった。 「瑞季…イっちゃったね…かわいくて堪らないよ… でも、夜はこれからだよ。…僕なしでは生きられないくらいもっと愛してあげる。」 吐き出したものを一旦ティッシュで拭われ、この意地悪で優しくて尊大な男に供えられた贄のように脱力して動けない僕は、焦点の合わない目で彼を見つめる。

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