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第66話
日向は始めゆるゆると前後に浅く動いていたが、僕の中に馴染んでくると、次第にその動きを大きくしてきた。
僕の中の敏感なところをわざと掠めるように突いてきたり、直接強く当ててきたり、角度を変えては僕の反応を楽しんでいた。
僕はもう余裕がなくなって、日向から与えられる快感に身を任せ、鼻にかかった声でただ啼くばかりだった。
足を大きく開かれ、膝は顔に届きそうなくらいに深く折られ、日向の猛ったモノが出入りするのが見える。
あんなモノが僕の中に…
身体がバラバラになりそうな圧迫感と、奥からうねるように湧いてくる甘い快感と、何よりも大好きな男に抱かれているという幸福感が僕を支配していた。
抽挿は ますますそのスピードを上げ、日向が最後の追い込みをかけている。
受け入れてただ喘ぐだけの僕は、何も考えることができなかった。
掴んだはずのシーツは呆気なく滑っていく。
「瑞季っ、いつもより…なんかすごい…
噛みちぎられそうに喰い付かれてる…」
日向も、いつもの王様然とした余裕はなく、汗がポタリポタリと顎から僕の鳩尾辺りに落ちている。
今日は…初夜…
特別な響きが僕達二人をおかしくしているのかもしれない。
「瑞季、イくぞっ!」
僕の中で一際大きくなった日向自身に刺激され、ほぼ同時に僕達は白い種を吐き出した。
どくどくと、熱い熱い愛液が身体の中に流れ込んできた。
がっくりと全身の力が抜けた僕は荒い息をあげて、やっとの思いで重い瞼を開けると、目の前に愛おしい男の顔があった。
「瑞季…愛してるよ」
その言葉に次から次へと流れる涙は止まらず、僕は日向に抱きしめられて意識を手放した。
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