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第72話
「おい、瑞季、みーずき、何ぼんやりしてるんだ?
身体、ダルいのか?俺、夕べうれしすぎてちょっと張り切っちゃったからな。」
日向の声にハッとして
「ううん、景色が綺麗で。見惚れてただけだよ。
身体は…うん、大丈夫。
あ、もうちょっとで着くね。
もう、すっごい楽しみ。ワクワクするよ。」
「そうか…なら、よかったよ。
着いたらさ、レンタカーで移動するぞ。
シロクマ見なくっちゃな。
えーっと、チケットもあるし…キャリーバッグはそのまま車に乗せておけばいいし。
レンタカーの受付は…駅の横だったよな…
地図はナビがあるし。」
日向は、あれこれを段取りを考えてシュミレーションしまくっていて。なんだか日向の方がお子ちゃまみたいじゃん。
全く邪気のない笑顔で僕を見る日向を見つめると、僕は少し潤んだ目でにっこり笑って頷いた。
そして、以前から考えていたことを この旅行が終わったら実行しようと固く決心したのだった。
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