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第74話
キリンのとこまで来て一周した感じ。
「日向、もう一回シロクマのとこ行ってもいい?」
遠慮がちに尋ねると、
「お前の気が済むまで行こう!」
と僕の手を取って、きゅ と指と指を絡ませると先に歩き出した。
あ、これ…『恋人繋ぎ』!
うれしい気持ちが更に加速して、テンションMax状態の僕は、思う存分シロクマを堪能した。
おまけに日向は、お土産にと、僕が気に入ったシロクマのぬいぐるみを買ってくれた。
一匹じゃ可哀想だからと、番になるように二匹のシロクマを。
「あー、楽しかったぁ…日向、本当にありがとう。
それに、ぬいぐるみもありがとう。
すごくうれしい。」
車中で未だ興奮冷めやらぬ僕は、ぬいぐるみを抱きしめて日向に伝えた。
「そんなに喜んでもらえたなら、俺はそれで満足。お前の笑顔が見たかったから。
また来ような、絶対に。
じゃあ、昼メシ食ってから。ちょっとその辺観光して、ホテルに行こう。」
「日向…ありがとう…
歩き回って走ったから、お腹ぺこぺこだよ。日向もでしょ?」
「うん、ジンギスカン食って、ちょっとドライブな。」
僕らは車で10分程で目指すお店に着いたが、行列で散々待ってやっとお目当てのジンギスカンにありつけたのだった。
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