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第76話
僕がうだうだ言ってる間に、もう到着してしまった。
アメリカの田舎町みたい。
受付を済ませて、必要なものをレンタルすると、ちょっとカウボーイ風な僕達の出来上がり。日向、何やってもカッコよすぎる。
始めに、室内で手綱操作のレクチャーを受け、次にサークルの中で実際に馬に乗った。
僕を乗せてくれるのは『ジェニー』。栗毛で額に白の星印がある男の子。
「ジェニー、よろしくね。僕は瑞季。」
首筋をポンポンと叩いてそっと声を掛けると、顔を寄せてきた。人懐っこくて優しい子!
うわぁ、高い!ちょっと怖いけど、彼を信用して身体を預ける。
あ、いい感じ。でも、全身筋肉痛になりそう…
その後サークルを出て、ゆっくりと広大な畑の中のあぜ道や、川辺や川の中を歩いて行く。
身体に当たる風が心地よく、大自然を満喫しながら、普段と違う視界を楽しむ。
日向は…颯爽としてなんかモデルみたいで、姿を見るだけでドキドキしてしまう。
あっという間の体験が終わって、お世話になったジェニーにお礼とお別れを言い、撮ってもらった写真をもらう。
日向も僕もサマになってるよ。
「あー!楽しかったぁー!
馬ってかわいいね。僕らの言うことがわかるみたいだった。」
「ああ。馬に触ったり乗ったり、なかなかないもんな。
でも、ちょっとケツが痛いかも…」
二人で大笑いして、今夜のホテルへ。
山小屋風の洒落たホテルで、木彫りの大きなフクロウに出迎えられた。
今夜も、まさか…『スイート』!!
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