いつもなら、何度肌を重ねても未だに恥ずかしくて前戯だけでさえ『嫌だ止めて』と抗(あらが)う僕が、何の抵抗も見せないことに、日向はちょっと驚いた風だったが、宣言通りに『優しく』全身を愛撫し始めた。 手の先からキスをして時折べろりと舐められる。 腋の下もくんくん匂いを嗅がれて舐められて、恥ずかしさのあまり気絶寸前だったが、何とか耐えた。 僕は体毛が薄く、手足はもちろんのこと腋毛も殆どなくて、辛うじて陰毛は柔らかなものに覆われているのだが、日向はその陰毛を指に絡ませて遊んでいる。 日向が触れていくところから『愛してる』という感情がなだれ込んでくるような気がして、僕もやっと手を伸ばして日向の手を掴んだ。 「瑞季？」 声が出ない。目で訴え必死で唇を動かす。 『アナタヲ アイシテイマス』 日向がにっこりと微笑んで言った。 「知ってるよ。だから…愛し合おう。」 ぎゅっと抱きしめられ抱きしめて、貪るように唇を求め合う。いつの間にか、唯一身に付けていた下着も剥ぎ取られ、お互いの屹立したものが熱く触れ合う。 根元から絡まる舌がもつれ合い吸い付いて、だんだん息が苦しくなってくる。