93 / 229
第93話
日向は僕を抱き上げると、さっきまで二人が戯れていたベッドへ そっと横たえた。
愛おしげに髪を撫でられ、それだけで胸のつかえが取れていく。
大きく息をつくと、日向は僕のジャケットをシャツを順番に脱がせて、とうとう生まれたままの姿にしてしまった。
身に纏うものがなくなり、ふるりと震えた僕に、日向も逞しい裸体を曝け出し、添い寝をするようにぴたりとくっ付いてきた。
触れる肌が焼けるように熱を帯び、鼓動は全力疾走した後のように跳ねている。
「瑞季、心臓の音すごい。緊張してる?」
こくりと頷き、そっと片手で日向の頬に触れ、至近距離で見つめる。
整った顔、僕を見つめる欲望の目。
僕は自分から日向の上に乗り、唇を合わせた。
ちろちろと唇を舐め、音を立ててキスをする。
空いた隙間に遠慮がちに舌を差し込んで、絡めてみる。
いつも日向がしてくれるように、頬の内側や上顎を優しくなぞっていく。
日向は僕を受け入れ、されるがままになっている。
僕の中の雄の部分が目覚めた。
噛み付くように性急なキスを繰り返し、両手で美しい筋肉のついた上半身を撫で摩 る。優しく柔らかに。
胸の慎ましやかな赤い粒も弄っているうちに勃ってきた。
ぴんと弾くと、うっ と呻き声があがる。
喉を掠 め鎖骨に噛み付き、唇を這わせながらその粒に吸い付いて舌で転がしてみた。甘噛みしたり、小さな穴を突いてみたり。そう、日向がいつも僕にするみたいに。
ともだちにシェアしよう!