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第95話
僕は日向を真っ直ぐに見つめ
「…いいよ。いっぱい…愛してね。」
瞬間、日向に押し倒されて、無茶苦茶にキスをされた。息が…苦しい…
やっとの思いで息継ぎをすると、目の前には獰猛な美しい獣が、目を爛々と輝かせて僕を組み伏せていた。
頭がぼおっとして、身体がふわふわしている。
「日向…」
両手を伸ばして日向の首に絡ませ
「僕が…乱れるくらいに…抱いて…」
それからほぼ夜が明けるまで何時間も啼かされて、最後のほうは掠れた声すらも出なくなり、声の代わりに悲鳴のような音で喉が鳴っていた。
僕は何度めかの絶頂で意識を失い、死んだようにぐったりと横たわり、日向は僕が目覚めるまで、ひたすら甲斐甲斐しく世話を焼いていたようだった。
「瑞季…起きれる?」
「(ちょっと無理…あんまり大丈夫じゃない)」
「ご飯、食べれる?」
「(お腹空いたけど動けない)」
「ほんっとにごめん!俺が悪かった…」
凹む日向に声が出なくて口パクで答えた僕は、痛む腰をゆっくりと動かして何とか起き上がった。
が、よろりとフラついて、すぐに日向に抱き留められた。
足にも腰にも力が入らない。
夕方には飛行機に乗らなくちゃいけないのに、マズい。
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