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第98話
たった数日家を空けただけなのに、久しぶりの我が家はなぜか懐かしくてうれしくなった。
片付けも日向に全部任せて、僕はソファーに倒れ込んだ。
「瑞季?大丈夫か?飛行機、辛かっただろ?」
「うん。何とか…声も出るようになってきたし…明日明後日、ゆっくりしてれば大丈夫だと思う…」
「休み取っといてよかったな。
後のことは全部俺がやるから、じっとして横になってて。」
「ありがとう。でも動けるようになったら、僕もやるから。」
「とにかくお前は休んでて!」
僕がこうなった元凶の日向は、僕に有無を言わせずテキパキと片付けていく。
あぁ、涼香ママのところにも行きたいのに、明日は動けるようになるかな…
先に風呂へ行けと言われて素直に従う。
今日の昼にはまだ北海道にいたのに…いろいろあったけど楽しかったなぁ…などと思い出していると
「.…瑞季…一人で大丈夫?」
遠慮がちな日向の声が聞こえた。
「大丈夫!もう、日向心配しすぎ!」
「んー。わかった…」
病気じゃないんだから。超過保護すぎるよ。
ゆったりと湯船に浸かり、道中の疲れを癒してバスルームを後にした。
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