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第99話

用心のため、残り二日の休みは何もさせてもらえなかった。 涼香ママには無事で帰ってきた旨の電話をして、改めて訪問する約束をした。 「もう、日向ったら。もう大丈夫だから、涼香ママのところへ行きたかったのに。」 膨れっ面で文句を言うと 「何言ってんだよ。ここで無理したらホントに動けなくなるぞ。 頼むからじっとしておいて。」 何言ってるんだよ。こうなったのは日向のせいじゃないか。 二体のシロクマのぬいぐるみを抱っこしながらじっと横になっていた。 「なぁ、ご機嫌直して…瑞季…」 そばに来て、ちゅ と軽いキスをして僕の頭をそっと撫でてくる。 それが心地よくて、ワザと膨れっ面をしたままで、ずっと頭を撫でてもらう。 だんだん くすぐったくなり、心がほんわかと暖かくなって笑いを堪えて身をよじると、顔の近くでくすりと笑う声がして、優しく抱き込まれた。 あぁ、幸せ…とくとくと規則正しく打つ鼓動に耳を傾けて、ほうっと息をつくと 「瑞季…愛してる。」 耳元で掠れた声でささやかれて、ぶわっと身体中の皮膚が踊る。 暖かな胸に擦り寄って、これ以上ない幸せに身を委ねて そっと目を閉じた。

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