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第104話

そうして僕は、あれよあれよという間に峰君に引き継ぎを済ませ、片岡課長達に見送られ、歓喜の声で庶務二課へ迎えられたのだった。 「ねぇねぇ、西條君、『みーくん』って呼んでもいい?」 「リアルBL…萌えるぅ…」 「ねぇ、今日の晩ご飯は何?何がおススメ? もう、考えるのメンドーなのよ。」 「ねぇねぇ、うちの彼氏がさぁ、甘えてくるんだけどどうしたらいい?私が癒されたいっつーの。」 「こらぁー!アンタ達!西條君の仕事の手を止めないっ! 公私混同しないのっ! アンタ達も、し・ご・と。仕事っ! ほら、仕事に戻って!早くっ!」 まーちゃん課長こと浅井課長に怒鳴られて、僕を取り巻いていた庶務二課のアマゾネス達は、蜘蛛の子を散らすように自分の席に戻っていった。 「ほんっとにもう…ごめんね、西條君。 みんな悪気は全くないのよ。 気を悪くしないでね。」 「はぁ…だ、大丈夫です。」 教わる仕事内容は、大体理解できた。これなら、迷惑かけずにこなせると思う。 ここの人達は、まーちゃん課長を始め滅茶苦茶仕事が早い。早い上に正確で完璧だ。 この人達のお陰で僕達営業の仕事が回ってたんだなと改めて感謝する。 ただ… 興味津々であれこれ質問されるのは…ちょっと…慣れない。 そんなこんなで心身ともにいろんなことがあり過ぎた怒涛の週を終え、ヘロヘロになってやっとこさ家に辿り着いた。 「お帰り、瑞季。」 「あれ…?日向の方が早い?ただいま…」 「ご飯の支度できてるよ。」 「えっ?ごめんね。ありがとう。僕がしなくちゃいけないのに…うれしい。 もう、今週いろいろあったから…もう限界…」 日向の顔を見た途端、安心したのか どっと疲れが押し寄せてふらついた。 「瑞季っ?」 慌てて抱き留めた日向に身体を預け、僕の意識は遠くなっていった。

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