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第114話

「君の代わりに支店から戻ってきた相沢君なんだ。彼のお相手も…男性なんだよ。 つい先日、交通事故で弟さんとその奥さんを亡くしてね。彼らのお子さん…5才の姪を引き取って育てることになったんだ。 彼らにも、これからの人生を歩んでいく上の糧になるように…よければ先に式を挙げた先輩としてアドバイスしてあげてくれないかな… あ、君とパートナーさんさえ良ければなんだけど。」 「もちろんです!多分、うちの日向も喜んで協力してくれると思います!」 「そうか。じゃあちょっと了解もらってくれるかな? 相沢君には、君の返事を聞いてから伝えるよ。 悪いね、お願いします。」 「はい!できるだけ早く返事させていただきます。 いろいろと話できる人が増えるのはうれしいですね! 相沢君には、僕のせいで異動になったから謝らなくちゃって思ってたんです。」 「君のせいではないから、謝る必要はないよ。 普通にしてなさい、普通に。 それに同じ同性カップルだからね、仲良くなれたらいいよね。 それに、そろそろ彼も呼び戻そうと思ってたとこだったから。」 「…はい。ありがとうございます。」 課長にお礼を言って庶務課に戻ってきた。 相変わらず姦しい場所だけれども、邪気のない人達だから、もうすっかり慣れてしまった。 帰ったら早速日向に相談しよう。 相沢さん…どんな人なんだろう…会えるの楽しみだな…

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