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第116話
クールな外見に比べて、穏やかな物腰とハスキーボイスで、案外話しやすそうな人かもしれない。
「じゃあ、パートナーさんにも?」
ええ と、僕は笑って頷いた。
「ところで…課長からお聞きだと思うんですが…
僕達、先日結婚式を挙げまして。」
「おめでとうございます!
俺からご相談しようと思ってたんですよ。すみません、先にお声掛けていただいて。
俺達も式を挙げようかと。」
「ありがとうございます。
僕のパートナーのお父さんが、式場のオーナーさんと友人で、僕らみたいなカップルでも積極的に受け入れてくれてるんです。
もう少し先にと思ってたんですが、彼のお母さんの具合が良くなくて…
元気なうちに早く僕らの式を見たいって、その時期が早まって…
これ、オーナーさんの名刺です。
こちらに連絡すれは、すぐ相談にのってくれますよ。
あ、もしよければ、僕達の式の様子とか事前準備とか、いろいろお聞きいただけるといいかも…」
「そうだったんですか…
でも、お母さんが喜ばれたなら何よりですね。
ここ…めっちゃ有名な所じゃないですか!
うわー、すごいなぁ。
ありがとうございます!
あの…ご都合よければ、彼氏さんと一緒にうちにいらっしゃいませんか?
うちは、子供…死んだ弟の娘を引き取ってるんで、うちを空けれないんです。
金曜とかどうですか?」
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