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第118話

そして迎えた金曜日。 「なんか、ドキドキするよね…」 「…うん。初めてのお宅だからな。それに、食事も飲み物も全部用意してもらってさ。 そこへ食べ物持っていくのはルール違反だよな…気を遣わずに、って言われても…」 「だ・か・ら、お花にしたんじゃない。子供さんの趣味もわかんないし。 お花ならしばらく楽しんでもらえるよ?」 「あぁ、そうだな。お?ここか?すっげえ高級マンション!緊張する…」 ピンポーン 「「こんばんは」」「どうぞー!」 「「お邪魔しまーす」」 ロック解除してもらってエレベーターへ向かう。コンシェルジュが和やかに会釈をしてきた。 「すげぇな…コンシェルジュ付き! パートナーさんって、どんな人なんだろう…」 「レストラン経営してるって言ってたよ。」 二人でひそひそと話しているうちに部屋の前へたどり着いた。 ドアが開いて、相沢さんとパートナーさん、そして凛ちゃんが勢揃いで出迎えてくれた。 うわぁ…めっちゃイケメンさん!相沢さんとお似合いだぁ…凛ちゃん、お人形さんみたい… 「いらっしゃい!どうぞ!」 「かえってご迷惑だったのでは…すみません、あ、これ凛ちゃんに…」 ピンクのガーベラやらバラやら、ふんだんに散りばめられた大きなアレンジを手渡した。 「うっわー!きれい!ありがとうございます!」 凛ちゃんは よいしょとヨタヨタしながら抱え、リビングのテーブルへ運んだ。 一気に部屋が華やいだ。あ、お花にして正解! 「こちらこそ逆にお気を使わせてすみません。 ありがとうございます。さあ、こちらへ」 いい匂いに釣られて廊下を進んで行くと、テーブルの上には出来立てのパエリアが湯気を立てていた。 日向がゴクリと喉を鳴らして 「うわぁ、美味しそう!あ、すみません。来たなりに。あまりに美味そうで、つい」 でへへと笑う日向、横でふふっと笑いながら日向を突く僕。 「じゃあ、早速食いますか!飲み物はワインで大丈夫ですか?」 「「はいっ!!」」 くっくっと彼氏さんが笑い、冷蔵庫へ向かう。 席を勧められて早速座らせてもらった。

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