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第124話
「ご自分達の結婚式を挙げたくて、この事業を立ち上げたそうですよ。
僕達の時は、片岡課長と峰君にも出席してもらったんだ。」
「えっ、峰、知ってるの?」
「うん。よくお互いが、いい相談相手になってて。
ずっと助けてもらってたんだ。
あ、今は部署変わったけどもちろん片岡課長にも相談したりしてるよ。」
「そうだったんだ…意外だったな。」
日向はアルバムを数冊出してきて、
「これが俺達の時の。あ、これ…そうそう。
チャペルはこんな感じで…
出席してくれたのは、俺の両親と弟、悪友達と、俺の上司ご夫婦、片岡課長と峰君、それとオーナーご夫夫。
タキシードも種類が沢山あるから、色々選べます。
式の後は、簡単に立食パーティーみたいな感じにしたんですよ。
金額は…これですね。」
見積りから領収書やら、全部お二人に診てもらう。
アルバムに収まる僕達は最高の笑顔で、列席してる人達もみんな満面の笑顔だった。
思い出す度に胸がきゅうっとなって、涙が溢れそうになる。
「すごい…素敵な式だな…」
「うん、見てる俺達まで幸せな気持ちになってくる。」
相沢さんの目から一筋ポロリと涙がこぼれた。
「智?」
「あ…ごめん。あんまり素敵で…
俺達もこんなにできるのかなって思ったら…」
瞬間、五十嵐さんが相沢さんを抱きしめていた。
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