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第132話
ドSっ!暴君!意地悪っ!悪魔っ!
心の中で叫びながらも、その熱くぬめる舌を受け入れている。
「んふっ、んんっ、んーっ」
首を左右に振り媚薬のような舌を振りほどこうとしても、両頬をがっちりと固定されて動かせない。
だんだん酸欠状態になり、息苦しくなってきた。涙がぽろり…と流れ落ち…やっと解放された。
大きく息をつき、何度も深呼吸する。
頬を流れた涙を優しくそっと指で拭われたが、悔しくてキッと日向を睨み付けると、鼻先をペロリと舐められた。
間近に迫る、切なく…怪しく揺らめく漆黒の瞳。彫刻のような整った顔。程よく筋肉のついた身体。
そして…僕を狂わせる鋼鉄の楔…
この男の前に出ると、跪き忠誠を誓うしかない。抗うことなんてできない。
潤んだ目でじっと見つめると、その表情が和らぎ、髪の毛を優しく撫でてくる。
「瑞季。お前は俺のものだ。
俺だけ…俺だけを見つめていろ。」
髪を撫でていた手が、するすると全身を撫で摩る。
あまりに官能的な撫で方に、時折ぴくぴくと反応する自分が浅ましく感じられ、泣きたくなってくる。
ましてや、明るい真っ昼間の、何もかも丸見えの部屋で抱かれているのだ。
「…いや…だ…」
「?」
「いやだ…」
「何が?」
「こんな、こんな…こんなの…いやだっ!」
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