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第134話

僕は泣き濡れた目で日向を見上げた。 大好きな日向。その瞳が悲しげに揺れている。 そっと両手で日向の頬を挟み込み、ちゅっ と音を立ててキスをした。 「いいけど…優しくしてね? それと… 僕が乱れても笑わないで。」 当たり前じゃん 日向はそう呟くと鎖骨に吸い付いた。きゅっと甘痒さが走り、その甘美な痛みはあちこちに広がっていく。 全身に散る痛みは僕が日向の所有である証で、 また僕の身体に赤い花が咲いていく… 次第に蕩けていく身体は、もう何年も日向に調教され、日向でないと感じなくなって。 どこをどうすれば僕が気持ちいいのか、日向は僕以上に知り尽くしている。 羞恥と期待で次第に熱の上がっていく身体を自ら日向に擦り付けて、唇から零れ落ちる甘い吐息を止める術もなく、日向に溺れていく。 「はっ…あぁんっ…」 「瑞季…俺の…瑞季っ!」 名前を呼ばれただけで、痛みに似た疼きが、脳天からつま先まで電流が走ったように、全身に広がっていく。

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