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第143話
甲斐甲斐しく世話を焼かれ、サンドイッチを頬張りながら、チラチラと日向を見ていると
「どうした?なんか食べたいものあるのか?」
と聞かれ、慌てて首を横に振った。
「なんでもない…でも、日向…」
「ん?何だ?」
「…この歯型…」
「…あー…ごめん。つい…痛かったか?ごめん。痛いよな、そんな跡ついたら…
赤黒く変色するかも…
後で冷やしてやるよ。ごめん…」
「たくさんついてる…」
ちらりと非難の眼差しで見つめると、うっ と息を飲み日向が頭を掻いた。
「だから、ごめんって!瑞季…許して!
…なぁ、瑞季…」
姿勢を正して、急に日向が真面目な顔つきになった。
思わず僕もきっちり座り直した。
「瑞季…俺…俺って変態か?」
「はぁーーーーーっ??」
突然何?僕の声が裏返った。日向、耳まで真っ赤になってる…こんな日向初めて見たかも。
「どういう意味?」
「ん…だから…その…
お前に対して異常に虐めたくって啼かせたくって…できればその…鎖で繋いで監禁したい…って思ってる。
俺は…サディストだっ!」
ひえーーっ!日向、どうしたの?
虐めたいはわかるけど、鎖とか監禁って何??
口をあんぐりと開けて目をまん丸にしたまま固まり、日向を凝視した。
日向は真っ赤になって俯いている。
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