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第145話

日向…震えてる? 僕も思い切り抱き締め返す。 「…瑞季…俺、俺…」 「日向は日向のままでいいんだよ。僕だけに本当の日向を見せて。 僕は全部受け止めるから。」 「…虐めても…啼かせてもいい?」 「うん。お手柔らかに。」 「…縛るのは?」 「ソフトに。痛いのは嫌。首輪と鎖は許してあげる。でも監禁は止めて。」 「…わかった。瑞季、ありがとう…愛してる。急に…変なこと言ってごめん。」 「僕も…愛してるよ、日向。でも、できるだけ優しくして…」 抱きついたままこくこくと頷く日向の気がすむまで、背中を撫でてやった。 それにしても…急にびっくりしたよ。 日向のドSっぷり、気付いてないのは本人だけだったのか。 今更何言ってんの。 日向、君は立派なSの人だよ。 僕が知らないとでも思ったの? そして、それを嬉々として受ける僕は…多分… 口が裂けても言ってやらない。 でも 何もかも全て完璧な日向にそんな秘密があったなんて。 なんだかホッとした。日向も普通の人間だったんだ。 僕達、心もしっかり繋がっているけど、身体の相性も抜群によかったみたいだね。 日向…一生僕から離れることはできないよ。 僕達みたいなカップルは案外いるのかもしれない。

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