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第159話
「風呂上がりに湿布貼ってやるからな。
それにしても…昨日のお前は…
さぁ、姫様、バスルームへお連れいたしましょう。」
「…『姫様』は止めて…」
「この下僕めに何なりとお申し付け下さいませ。」
イケメン過ぎ。ばか。何で突然執事になってんだよ。かっこよ過ぎじゃないか。
ぷくっと膨れる僕を極上の微笑みで見つめる日向。
その蕩けそうな目にやられた…
『ナカを掻き出してやる』という大義名分を振りかざした日向にいいように弄られ、結局全身湿布のお化けのようになった僕は、二度と安易に日向を挑発しないと心に固く誓ったのだった。
これでまた動けない週末を過ごす羽目になった。
いい加減、学習しないと。
日向を好き過ぎる自分がいけないんだ。
『週末=ラブタイム』は考えもの。
そして
明日出社したら、片岡課長とまーちゃん課長のとこに行って…
日向には相談してないけど(相談した時点で却下されるに決まっている)、『ある事』を決行しようと、腹をくくっていた。
ぼんやりしている僕を心配そうに見つめる日向の視線に気が付き
「日向、どうしたの?」
「いやぁ、本当に俺、お前のこと好きで好きで堪んなくってさ。
自分でもこの気持ち持て余してる。
結婚して一緒にいるのに、ひと時も離れたくなくて…」
「だから監禁とか鎖に思考がいっちゃうんだね…」
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