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第167話
いつものランチタイム。
智君と峰君と僕の三人で情報交換できる貴重な時間だ。
二人には、昨日退職届を出したけど保留になってること、退職する経緯 、日向にはすれ違っててまだ言えてないこと、この件は片岡課長とまーちゃん課長に預けて、人事と相談すると言われたこと…を簡単に説明した。
勿論二人ともびっくりしてた。でも、僕の気持ちもちゃんと伝えた。
二人は自分のことのように考えてくれ、悩んでくれてる。
こんな素敵な同僚とのお別れは寂しいけれど。
しんみりしているところへ、カツカツとヒールの音が近付いてきた。
「西條くーん、ご飯終わったー?」
噂のまーちゃん課長こと、浅井まどか課長の登場だっ!
聞けば僕は人事に呼び出しをくらってるそうだ。憂うつだが仕方がない。腹をくくって慌てて弁当箱を片付けた。
なんと、智君も峰君も、僕のためにまーちゃん課長に頭を下げて頼んでくれた。
どうして?なんで僕なんかのためにそこまでしてくれるの??
いろんな感情が渦巻く中、一人では行かせられないというまーちゃん課長の後ろを追いかけて行った。
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