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第183話
「今夜は…こうしてもいいよな?」
有無を言わさぬ艶めいた低い声で耳元にささやかれて、僕はもう抗うことはできなくなっていた。
日向に許したソフトな拘束。
正直、僕もそれに段々とハマってきている。
涙で潤んだ目で見つめ黙って頷くと、噛み付くように荒々しいキスをされた。
唇を塞がれ、繋がれた両手は頭上に。
日向は左右の胸の粒を弄り、時折爪を立てられる。
飼い慣らされたこの身体は少しの快感をも求めて蠢き、触れた箇所から電流が走りびくびくと魚のように跳ねていた。
ついっと日向の指が胸から脇腹を滑り、全身に鳥肌が立っている。
何をされても気持ちがイイ…
その指が次にどこに行き着くのかを期待して胸が高鳴る。
…後ろに…えっ…何で?
両の尻たぶをなぞったかと思うと、また脇腹や背中に戻り何度も繰り返し同じところを撫でていく。
肩透かしを食らったように触って欲しいところを弄ってもらえず、思わず抗議の視線を日向に飛ばしてしまった。
多分僕の蕾は今から始まる快楽の時間を待ち侘びてヒクついているんだろう。
物欲しげな僕の視線に気付いた日向が喉を鳴らして笑った。
「クックックッ…瑞季…随分エッチな子になっちゃったね。あぁ…そう仕込んだのは俺だな。
どこ?どこ触って欲しいの?
ちゃんと自分で言ってごらん?」
…言葉責め。ワザと言わそうとしてる。
イヤだ。言いたくない。恥ずかしい。
でも…
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