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第193話

「お義父さん、おはようございます。 今日は日向お休みなので一緒に来ました!」 「おはよう、瑞季君。いつもすまないね。 日向も一緒か。ありがとうな。」 「涼香ママ、どうですか?」 「うん、あまりよくないな…体温がちょっと下がってるみたいなんだ。」 「…そうですか…じゃあ気を付けて側にいるようにします。 僕、ママに挨拶してきますね。」 いつものようにノックして部屋へ入った。 「ママ、おはようござ……涼香ママっ!? お義父さんっ!日向っ!ママがっ!! 早く、早く来てーーーっ!!」 僕が来る時間には必ず起きて待っていてくれる涼香ママの顔が真っ白で、ぐったりと横たわっていた。 僕の呼びかけにも答えない。 マズい! 慌ててお義父さんと日向が飛んで来た。 「おいっ、涼香っ!涼香っ!しっかりしろっ! 日向、早く救急車を呼んでくれっ! 涼香っ!涼香っ!」 涼香ママの反応がない。 脈は微かにまだ感じられる。心臓も動いている。 救急車が来るまでの五分足らずの待ち時間が数時間にも感じられた。 手を握って大声で涼香ママの名前を呼び続けた。 僕はひたすら、目に見えない神という名の存在にお願いした。 どうか涼香ママを連れて行かないで下さい。 まだやり残したことがあるんです。 お願い、僕達の希望のこの人を連れて行かないで! お願い… 到着した救急隊員の処置と搬送準備が手早くされてお義父さんは救急車に乗り込み、日向と僕はお義父さんの車で後を追いかけた。

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