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第201話

祭壇には真っ赤なバラが999本。 中央には満面の笑顔の涼香ママの写真が。 正直、僕達も驚くほどのすごい人数の参列者があり、涼香ママの人柄と、関わってきたことの凄さが浮き彫りにされた形となった。 指定された部屋に次々と追加の椅子が運び込まれ、それでも入りきれずに溢れた人達のために隣の部屋でカメラを設置しての葬儀となった。 担当者も 「こんな凄い人数、一般の葬儀では見たことありませんよ。 地元の名の知れた方でも、まずありませんね。 奥様、本当にみなさんに愛された方だったんですね。」 とびっくりしていた。 参列者の想い想いのささやきがあちこちから漏れ聞こえてくる。 その中には僕に対して興味津々の遠慮のないものもあった。 「まぁ、見事なバラ!こんな祭壇見たことないわ」 「涼香さんらしいわね。」 「うちは子供もそうだけど私もすごくお世話になったの…」 「本当にパワフルであったかい人だっわ。」 「あら?あの子誰?確か息子さんは二人だったはずよ。」 「親族席って…やだ、何かしら。」 …………………… 僕は戸惑いながらも親族として日向の隣に俯き加減で座っていた。 「瑞季君、堂々と座ってなさい。あなた、うちの子なんだから。 ほら、涼香のために。」 僕の心中を察してくれたのか、おばあさんがそっと手を握ってくれた。 「…はい。」 その手の暖かさに勇気が出て、僕は気持ちを奮い立たせ、しゃんと前を向いた。

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