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第203話
葬儀の後も次々と弔問客が訪れた。
おじいさんとおばあさんには休んでもらい、僕達は休む間も無く対応に追われ、また交代で線香をあげ続けた。
変な言い方だが、動いていると幾分か気が紛れ、やっと落ち着いたのはすっかり日付が変わってからだった。
「はい、コーヒー。瑞季、大丈夫か?」
日向が横に座ってきた。
「ありがと。大丈夫だよ。日向こそ、大丈夫?
…お義父さんは?」
「…あぁ…俺は大丈夫だ。親父は…お袋と…最後のデート中。そっとしといてやろう。
お前も休むといいよ。あっちに布団も用意してあるから。」
「…ううん。ここにいる。」
日向はじっと僕を見つめると、くいっと頭を抱き寄せて自分の肩に乗せると
「じゃあ、俺の肩を貸してやるから少し寝ろ。
起こしてやるから気にするな。目の下クマできてるぞ。
明日もまだやらなきゃならないことあるから、今のうちに休んでろ。いいな。」
有無を言わさずぐいぐい肩に押し付けられて、抵抗する元気もなく日向に体を預けた。そのうち段々と睡魔に襲われて…瞼が重くなり…気が付いたら布団に寝かされていた。
障子一枚隔てた隣の部屋からお義父さんと日向の会話が耳に入ってきた。
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