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第210話
震える日向の唇にそっとキスをする。
長い睫毛が涙に濡れ揺れていた。
舌を絡めて唾液を啜り合い、どちらからともなく服を脱がせ合って、一糸纏わぬ生まれたままの姿になった。
肌を撫で摩り、触れぬところがないように弄り合う。
お互いの熱く甘い吐息を感じ合い心も身体も昂ぶってくる。
日向のも僕のも、天を指すようにそそり立ち、切っ先からは透明な愛液が滴って光っていた。
日向は僕の全身を撫で回すと今度は顔から順番に舐め始めた。
僕は少しでも身体の熱を紛らわそうと日向の髪の毛に指を絡ませたが、観念して次々と襲ってくる快感に身を委ねた。
「あっ、日向…そこは…ああっ」
尖った赤い粒に吸い付かれ、背中が反り返る。
軽く甘噛みされるだけで、そこから電流のようにびりびりと甘い疼きに支配される。
いやいやと首を横に振っても、愛おしげに髪を撫でられ、それだけで全身が震える。
情欲に染まった目で見つめられ、見つめ返す僕の目も同じように切なく日向を求めていた。
全身が性感帯になったような錯覚を起こすほど、どこを触られてもびくびくと痙攣したように反応する僕を日向はゆっくりと丁寧に愛撫していった。
「愛してる、愛してるよ、瑞季…」
繰り返し繰り返し愛の言葉をささやかれ、僕はそれだけで日向の手の中に白濁の液を吐き出した。
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