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第211話
日向の声だけでイってしまった僕は恥ずかし過ぎて思わず泣きそうになったけれど
「瑞季…イイ子。俺のこと、こんなに思ってくれてるんだね…ありがとう。」
日向が涙の溜まった目尻を舐めとり、優しくキスをしてくれ、ホッとひと息つくと力が抜けてきた。
ちゅっちゅっと軽い音を立てながら、また胸の粒まで唇が下りてくる。
ぷっくりと固くしこった粒をしつこいくらいに、その粒が取れてなくなるんじゃないかと思うほど責められ弄られた。
日向は胸を弄りながらも、さっきの愛液を使って僕の後孔を解し始めていた。
息が上がり、頭がぼんやりとしてきてくらくらする。
思考は停止しかけても、快感の感度は上昇し、口からは日向を誘う甘い吐息が溢れ次第に腰が揺れてきた。
大切な人を見送ったその夜にこんなことをするなんて…
背徳感に苛まれながらも、もっともっとと もう一人の僕が求めている。
口で拒みながらも日向以上に、本当は僕の方が日向を欲しがっていたのだ。
愛する男の匂いと熱い肌に包まれて、押しつぶされそうな不安と恐怖を振り払うように、いつも以上に身体中が敏感に反応してどこもかしこも絡み付いている。
そんな僕の気持ちを察したのか、日向は くぷくぷと抽挿を繰り返しながらずっと愛の言葉を囁き続ける。
「瑞季、俺が求めてるのがわかるか?」
「お前だけを愛してるよ。」
「俺を感じろ…ここにいるから。」
気付かぬまま指を抜かれて熱い楔を打ち込まれ、内臓を抉り出されそうな感覚に囚われながらも、僕の中はしっかりと楔を捉えて離れない。
「くうッ….瑞季…少し緩めてくれ。食い千切られそうだよ。」
眉間に皺を寄せて日向が切なげに呻き声をあげて懇願する。
「…ッ、そんな…そんなことしてない…あっ?あああっ」
ぐっしょりと下生えまでしとどに濡れた僕自身をぐちゅぐちゅとイヤらしい音を立てて扱き上げる、その刺激が脳天を直撃した。
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