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第212話
ぴゅくっと二度目の精を吐き出した僕は、潤んだ目で日向を見つめ…それに煽られたであろう日向は、僕の膝裏を持って左右に広げると、一層奥深くへぐいぐいと楔を進めてきた。
「あっ、ああっ、日向っ…あんっ、はぁっ」
恥ずかしい体勢に身を捩り、口から溢れるのは甲高い嬌声。
「…何度も、何度でもイかせてやる。
…俺は…ここにいる。瑞季…お前を置いてはどこにも行かないから…」
泣き出しそうな悲鳴にも似た日向の声が僕の心に染み渡っていった。
身体中の細胞が沸騰しているように、全身が熱く燃えて善がり狂っている僕。
日向の腕を掴み涙を零しながら、ひたすら日向の与える快楽に身も心も委ねていた。
僕の中で一際大きくなった楔は、その血管さえ感じられるほど密着して容赦なく僕を責め立てる。
「…あっ、あんっ、ひなたぁ…あぁっ、はぁんっ」
『いや』という拒絶の言葉はもう僕の頭には見当たらない。
甘く蕩けるような声で日向を誘い煽り、身体を繋ぐ行為に没頭する。
僕は…愛されている…そして僕も、愛している。
肌を合わせた部分からこれでもかと言うくらい無限の愛が伝わってくる。
いつかは、どんな形であれ この愛を手放す時が来る。
でも、今この瞬間だけは…
「あぁぁーーーっ」「くぅっ」
涙でボヤけた瞳に、満足気な僕の伴侶の笑顔が映った…
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