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第228話

あぁ、安心する…大好きな日向の匂いと温もりが、僕の細胞の隅々まで浸透し広がっていく。 ぎゅっと抱きしめられる、ただそれだけで何て幸せな気持ちになれるんだろう。 日向の胸に頬を擦り付けると、規則正しい心臓の音が伝わってくる。 涼香ママに後押しされるまで、いつかはこの温もりを手放さなければならないと、いつも怯えていた。 日向を失うことが不安で怖くて、いくら『愛してる』と言葉にされ、身体を繋げても信じきることができなかった。 けれども、心ある人達に祝福され結婚式を挙げ、養子に入り、そして手続きを済ませ名実ともに『夫夫(ふうふ)』『日向の嫁』となった今は、もうそんな余計なことは考えない。 目の前の愛おしい(ひと)が僕を求めてくれる限り。 いや、例えその心が離れても、一途に想い続けよう。 僕は、『日向を想う僕自身の気持ち』を大切にしたい… そんなことを考えていると…僕を抱きしめる日向から小さな寝息が聞こえてきた。 愛おしくて堪らなくて、その胸に僕だけの赤い印をそっと付けた。 明日目覚めたら何て言われるだろう。 気が付くだろうか。 びっくりして反撃されるかな。それも困るけど。その後のこと、考えてなかった… まぁ、いいか… 「なーに かわいいことしてるんだ?」

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