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続×続**不釣り合い~君想う**(5)

 けれども彼に求められ、二度も果てた私は肉体的に動けない。  これは不可抗力だ。心の中で頷いていると、唇に柔らかな感触を受けた。  反射的に口を開けば、ひんやりした物が口内を占領した。 「食べて。喘ぎすぎて喉渇いたでしょう?」  言われて口を動かせば、甘い果汁が口内に広がる。  スイカだ。 「そ、その。天伍くんには後始末までしていただいて……セックス自体、初めてで……放尿までして――」  もごもごと、どう礼を言えばいいのかわからず口ごもってしまう。 「抱いたのは俺だし、こういうことやんの別に嫌いじゃない。それに潮、吹いたんなら気持ちよかったんでしょ? そういうの、男冥利に尽きるし。好きな人の初めてを奪えて嬉しい。それから……」  天伍くんの唇が私の耳孔に近づく。イき顔も可愛かったと耳元でボソリと囁かれた。 「あと、恋人同士なんだから、これからは暴走しないで何でも俺に話してよ?」 「っつ!!」  にっこり微笑む君のその姿がとても綺麗で見惚れてしまう。  心臓が大きく跳ねた。  これから、大変なのかもしれない。  ――ああ、目眩がする。  それに頭もクラクラするし、心臓が跳ねすぎて不整脈を起こしている。  自分の体はきちんと保てるだろうか。  私は何も言えず、ただ大きく頷くばかりだった。  **END**

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