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**身代わり。**(2)
「っひ、そこ、イヤだっ、擦らないでっ! イ、ぐっ、イぐ、ううっ!!」
最奥に押し込められ、高橋の白濁が注ぎ込まれる。
その快楽に飲み込まれ、俺も吐精した。高橋の手の中で……。
「ごめんっ、あの、タオル、持ってくる」
一通り俺を抱き終えた高橋は、震える声でそう言うと、部屋を出て行った。
シン、と静まりかえった部屋に、取り残された俺。
初めは拒絶こそあったものの、途中からは高橋のペースにのまれて、散々喘ぎまくって、注がれて感じたなんて……。
すっげぇ惨めだ。
体格差だってあまりないし、自慢じゃないけど俺、結構体育には自信あるし、あんな引きこもりに負けるなんて……。
悲しくて、苦しくて。じんわり涙が溢れてくる。
視線を下に向ければ、見えるのはあらわになる下半身と、そして高橋の白濁を受けた身体だ。
流れてくる涙をゴシゴシと擦り、消し去れば、ベッドの下に、プラスチックのケースが見えた。
怠い身体を動かし、それに手を伸ばす。
「なんだよ……これ」
ベッドの下には、隠したつもりなのか。
それはゲームソフトのケースだった。
パッケージを見た瞬間、俺の頭がフリーズした。
だって、そのパッケージ。女の子の顔が、俺と似ているんだ。大きな二重の目に、小さな鼻。髪型こそ違うものの、顔はまんま俺だ。
俺のこの女顔は昔からコンプレックスで、ずっと悩んでいたものだった。
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