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**陰陽師は好敵手に牙を剥く**(5)

「俺としては、もう少し君と戯れたかったんだけれどね。あれは……」 「? あれ?」 『あれ』って、何のことだ?  隆晃の言葉を反芻(はんすう)すると、隆晃はにっこり微笑んだ。 「帝は君をたいそう気に入っているからね、早めに手立てを講じなければならなかったんだよ」 「んなっ! 帝のことをそんなふうに言うなよ! 首が飛ぶぞ! というか、帝は俺をそういう目で見てねぇよ!」  特別な目で見ているのはお前だけだ! 「君は自分の価値を下げすぎだ」  隆晃は静かに首を振り、一呼吸置いてからまた口を開く。 「別に俺は命を失おうとも構わない。君を奪われるくらいなら安いものだ」 「俺は構う! そんな悲しいこと言うなっ!!」  俺が睨めば、ふたたびにっこり微笑まれた。  俺、ダメなんだって。その微笑みに弱いから!! 「っつ、うううううっ!!」  うっすらと笑みを浮かべている彼に雄を感じて胸が跳ねる。  ……ううっ、どうしよう。  もう自分の気持ちを誤魔化せない!!  **END**

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