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続**星に捕まった翡翠**-秘めた想いはやがて星に届き……。-(1)
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「いやだ、穴掘り作業なんてまっぴらだ。僕は汚れたくない」
朝食を終え、仕事の支度をする、恋人のキースの背後に仁王立ちをした。
翡翠の目は怒りに変わっている。華奢な肩を上下させ、大声で言い放つ。
朝焼けの太陽が、極め細かいブロンドの髪を照らす。陶器のような白い肌には、夜毎抱いている、キースの愛の痕跡が所々に散らばっている。
それがいっそう艶めかしく、彼を魅せる。
「そうか、だったらここにいろ」
反発するレイに、しかしキースはレイよりもずっと大人だった。彼は怒れるレイに、にっこり微笑むと、優しく頭を撫でる。
キースは相変わらず美しい。象牙色の肌に、高い身長。鷹のように鋭い目は、微笑めばずっと優しくなる。すっと通った鼻筋の下にある薄い唇。
キースの美貌は常にレイを悩ませるのだ。
キースは、国にとって唯一無二の存在で、神に通じることのできる有能な星読みとしてだけではなく、頭も切れるし冷静沈着で心を乱すこともない、ましてや情に流されることなど有りもしない。
ーーほんの数ヶ月前までは、だが。
冷静沈着頭脳明晰な男はどこへやら、当初とはすっかり変貌を遂げ、腑抜(ふぬ)けになっていた。
その理由は、彼の恋人、レイにある。
レイは、神通力をもって、神に人びとの意志を伝えることのできる神の子で、星読みに呼ばれてこの地に降りた。
神に言霊を伝えるための行為の最中、キースに愛を告げられ、レイは恋に落ちた。
そのキースは、最近やたらとレイに甘い。
ちやほやされるのは誰だって気分が良い。しかしそれは初めだけだ。ここ最近は、少しも怒らないキースに対して少しばかり不安感を抱いていた。
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