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続**星に捕まった翡翠**-秘めた想いはやがて星に届き……。-(3)

 だからレイはこうして人知れずスコップを持ち、夜な夜な作業を続けていた。  そんな中、木の陰に隠れて、なにやらブツブツとひとりごとを繰り返すレイを見つめる人影がふたつあった。  チュニックに身を包む長身な彼は、レイをこの世に繋ぎ止めた、恋人のキースだ。手には長剣を持っている。  そしてもうひとり、彼はキースの従者で、銀の鎧を身に纏い、レイピアを持ち、周囲を警戒していた。  実はキース。レイが夜な夜な寝台を抜け出していることを知っていたのだ。 「良いんですか? 好きにさせても。この一帯はまだ整備が行き届いていない危険地域ですよ? 賊でも出れば、見目麗しいレイ様は真っ先に奴らの餌食になりますよ?」 「レイがそうしたいんだ、できるだけ尊重させてあげたい。それに、俺はレイをみすみす賊共に渡す気もない。見つければすぐに蹴散らす」  キースは闇の方へと鋭い目を光らせ、そう言った。 「貴方は本当に……」 「俺の恋人は可愛いだろう?」  誇らしげに言うキースに、従者は大きなため息をついた。  そこに(かつ)て眉ひとつ動かさない、冷静沈着で有名な星読み様はもういない。 「貴方の溺愛っぷりは、隣国まで広まってますよ」 「そうなのか?」 「ええ」  キースの問いに、従者は迷いもなく深く頷いた。  見上げれば、闇夜には、旅人が迷うことのないようにと神が飾った道しるべの星が点々と輝き、ダイヤモンドのように散らばっている。  こうしてキースが常にレイを見守っていることを、まだレイ本人は知らない。  **END**

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