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三章 優劣と陥落 6

 タクミの部屋から出たマコトは、一目散にトイレに駆け込んだ。あの短い時間ですっかり勃ち上がった性器は、今にも解放されたがっている。  マコトは下着の隙間から自身を取り出し、さっきまで触れていた兄を想って、上下に扱き始めた。 「っ……ん、タクミ……タクミ……っ」  兄に打たれた頬の感触ですら愛おしい。痛みが引かないうちに、この熱を堪能しておきたかった。 「……っ!」  少し扱いただけでマコトは達した。トイレットペーパーで白濁を受け止め、それをトイレに流す。本来ならタクミの体内に放たれるはずの精液は、渦を巻いて消えていった。  自慰を終えたマコトは自室に戻り、綺麗にラッピングされた箱を手に取った。片手に収まる小さな箱は、兄に贈るふたつ目のプレゼントだ。  首輪と違って、ずっと前から用意していた物だ。タクミの誕生日はまだ先だが、本人が欲しがっているようなので、明日渡すことにしよう。 「タクミ……」  マコトは箱に口づけ、大切にそれをしまった。

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