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一章 夢と現実 2

 マコトがタクミの性器の先端に爪を立てる。途端にタクミの身体はビクンと跳ね、腰がずくんと揺れた。 「でも俺がこうしたのは兄さんのせいですよ。兄さんが俺にあんなことするから……っ」  マコトの言い分に心当たりはない。戸惑うタクミをよそに、マコトは性器から手を離してタクミへ向き合うと、そのまま唇にキスをした。軽くついばむような甘いものではない。タクミが驚いた拍子に口を開けた隙を見逃さず、マコトはすかさず自分の下を入れ、夢中になって貪る。タクミは口を閉じようとしたが、それよりも早くマコトはタクミの嚙み合わせに指を入れて顎を固定し、口の中で逃げ惑う彼の舌を思いきり蹂躙した。  タクミの白い顔が赤く染まっていく。根元を縛られた性器も出口を求めて騒ぎだした。 「ううっ……ぁ、やめ」  タクミは腕の拘束を外そうともがいたが、簡単にほどけるような縛り方ではなかった。それどころか暴れれば暴れるほどきつく締まり、手首を傷つけていく。逃げたいのに逃げられない。実の弟に身体を弄ばれても抵抗ひとつできやしない。マコトの手を振り払おうと頭を左右に振るが、その行為はマコトを喜ばせるだけだった。 「俺のこと嫌い? でも気持ちいいんでしょう? 兄さんのもの信じられないほど熱くなっているよ」 「ちがっ」  タクミは反論したかったが、すぐにマコトに封じられた。 「髪も痛んでる。いつから手入れしてないの?」  タクミの荒れ放題の金髪をマコトは指で梳こうとしたが、それは中ほどで絡まっていた髪の毛に遮られた。 「俺が手入れしましょうか? まあ、兄さんは嫌がるだろうけどね」  そのままマコトはタクミの口の中に自らの唾液を流しこみ、それを無理やり飲みこませようとした。タクミは気持ち悪さに再び抵抗を始めたが、マコトは諦めることなく、逆にタクミの鼻を封じ、否が応でも飲みこむしかない状況にタクミを追いこんだ。 「兄さん……」  長い口づけが終わったのは、タクミの喉が上下する瞬間をマコトが認めたときだった。口づけから解放されたタクミは、使えない両腕の代わりにシーツで口の周りを拭おうと、しきりに顔を動かした。これで終わる。タクミは漠然とそう思っていたが、それは甘い考えだった。再びタクミの上に陣取ったマコトは、実の兄に対して非情な宣告を告げた。 「兄さん、今から罰ゲームの時間だ。でも、俺は優しいからゲームの内容を選ぶのは兄さんに任せてあげる。どうする?」

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