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一章 夢と現実 4
その瞬間、タクミの口にマコトの指が差しこまれ、強制的に何かを飲まされた。突然のことにタクミは動揺し、思わず喉を動かしてしまう。
「何、飲ませた……っ」
「ただの薬ですよ」
ただのね、とマコトは笑い、そのままタクミに口づける。
「ふっ……ぅ」
身体の奥底から甘美な熱が湧き出す。さきほど受けたものとは比べものにならない快感がタクミを襲った。
「気持ちいい? 軽い媚薬なんだ。これなら兄さんも楽しめるでしょ?」
全身がむず痒い。無数の見えない手に全身を撫でられているような感覚に、タクミは陥った。
「ああ、兄さんの白い肌にこの色は卑猥に映りますね。俺が触れる前から、もう尖ってる……そんなに弄ってほしかったんですか?」
「もう黙れ……っ、しゃべん、な……」
「素直じゃないですね」
タクミは自分自身の変化についていけなかった。両胸の乳首が触れられてもいないのに赤く勃ち上がり始めたのである。
「信じられないって顔してる。でも、これが今のあなたですよ。じゃあ今日は乳首でイってもらいましょうか。大丈夫。すぐに終わりますよ。だって――」
マコトはそこで言葉を切り、戒められたままのタクミの性器を思いきり握り締めた。
「ひゃ……んっ」
媚薬の効果もあって、タクミの性器は今にもはちきれんばかりに勃起した。どくどくと脈を打ち、解放の瞬間を求めてしきりに暴れ出した。
「もう、いや……っ、や、めろっ!」
「聞き分けがないなあ。あんたのせいだって言ったでしょ、兄さん」
嘲笑を含んだまなざしで、マコトはタクミの乳首に爪を立てた。
「痛っ、あ……っ」
「早くイってみせてよ。兄さんならそれくらい余裕だろ?」
タクミは呼吸すらままならなかった。
マコトから与えられるものは、痛みを凌駕した快感である。苦しみだけではない。まるで快楽に身を落とされた罪人のようだ。浮き上がろうとしても甘美な波に絡め取られ、ずぶずぶと海底に沈んでいく。
タクミはマコトの手管から逃れようとしたが、弟から与えられる刺激はとどまることを知らなかった。
やがて解放の時が近づいていく。タクミの身体がびくりと跳ねた瞬間を見逃さず、マコトは性器を縛める布を解いた。
「さあ、イっていいですよ」
「……ああっ!」
タクミは思いきり精液を吐き出した。解放された安心感からそのままタクミは意識を飛ばし、何もわからなくなった。
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